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INTERVIEW インタビュー

私たちは、パラカヌー選手/日本代表 瀬立モニカさんを応援しています。私たちは、パラカヌー選手/日本代表 瀬立モニカさんを応援しています。

瀬立モニカ選手

プロフィール
1997年11月17日生まれ(21才)
筑波大学体育専門学群3年
(現在 競技に専念するため休学中)

競技名|パラカヌー
実績
  • 2016年 第1回アジアパラカヌー選手権2016女子(KL1) 優勝
  • 2016年 リオパラリンピック(KL1) 8位
  • 2017年 カヌースプリントワールドカップ第2戦(ハンガリー)女子(KL1) 2位
  • 2017年 カヌースプリントワールドカップ第3戦(セルビア)女子(KL1) 優勝
  • 2017年 2017世界パラカヌー選手権(チェコ)女子(KL1) 第8位
  • 2017年 日本パラカヌー選手権(石川)女子(KL1) 優勝/女子(VL1) 優勝
  • 2018年 ワールドカップ(KL1) 7位
  • 2018年 世界選手権(KL1) 7位/(VL1) 1位
  • 2019年 ワールドカップ(KL1) 6位/(VL1) 1位
  • KL:カヤック両側に水をとらえるブレードのついたパドルを左右交互に漕いで前に進む。
  • VL:ヴァー「アウトリガー」と呼ばれる浮き具付きのカヌーに乗り、片側にだけブレードのついたパドルで左右どちらかを漕いで前に進む。
瀬立モニカ選手[写真]瀬立モニカ選手[写真]

 現在、パラカヌー選手として活躍する瀬立モニカさん。幼少の頃からスポーツが大好きな明るい女の子でした。そんな彼女が車椅子生活になったのは、高校生の時。体育の授業中でのケガで、脊髄損傷による下半身麻痺という重いものでした。それからはリハビリを続ける毎日。そんな中でも“もう一度スポーツをしたい”という強い気持ちを持ち続けて頑張ってきたモニカさんは、現在、2019年パラカヌー日本代表選手として強化合宿に励む日々を送っています。

 今回は、東京都江東区の旧中川でパラカヌーの練習をされているモニカさんを訪ね、これまでの体験やパラカヌー競技について、そして今後への抱負などを伺いました。

スポーツ万能の少女が、
突然車椅子生活に。

瀬立モニカ選手の母 キヌ子さん[写真]瀬立モニカ選手の母 キヌ子さん[写真]瀬立モニカ選手の母 キヌ子さん

 モニカさんはどんなお子さまだったのか、お母さまに伺うと「やんちゃ、活発、木登りが得意。とにかく体を動かすことが大好きで、いつも男の子たちとボール投げをしていました」

 そして中学ではバスケケットボール部で活躍するかたわら、区のカヌー部にも所属し、他に水泳、テニス、陸上、サッカーなどもやっていたというモニカさん。そんなスポーツ万能だった少女は、高校へ入学して間もなく、体育の授業中にケガをしたのです。

 お母さまは「当初は、まぁ大丈夫だろうと思っていましたが、日が経つにつれて“あぁ、この子はもう歩けないんだな”ということがわかったときには、障がい者になっても自立できるようにさせないと、と思いました」

 そんな中で「もしかしたら泳ぐことはできるんじゃないか」と思い、スポーツセンターのプールへ連れて行くと「すぐに泳げた」そうです。お母様は「泳げた」ことに喜びましたが、モニカさんは「泳げたことより運動できることに対しての喜び」でした。

 というのも、車椅子生活になった途端、体育の授業も『危ないから見学ね』と何もやらせてもらえなくなり、「自分ができると思うものに対しても“車椅子”ということで可能性を阻まれてしまうことにとてもストレスを感じていた」のです。

 1年半のリハビリでスポーツに復活したモニカさんが選んだのは、水泳ではなく、パラカヌーでした。ケガをする前に地元のカヌー部で活動し、その楽しさを知っていたからだといいます。陸上ではなく、水上で行うスポーツということに躊躇はなかったのでしょうか。

 「車椅子で生活していると、階段があって行けないとか、人と違う道を行かなければいけないことがたくさんあって、それが案外私には苦痛だったりします。逆に水上には段差がないので、みんな同じように行動できる。そういう意味で“水上はバリアフリー”だし、パラカヌーの一番の魅力もそこにあると思います」

そして何よりも、地元江東区*が力を入れてパラカヌー選手の育成を目指していたことも、彼女を後押ししました。どんな支援があるのでしょうか?

 「私のためにチームを組んでいただけたことです。コーチの派遣や練習場所の提供、艇の保管など。本当に区の全面的なバックアップの下で活動ができています」

  • 東京都23区の1つ。東京の下町と呼ばれるエリアで、河川が多く水彩都市を宣言。オリ・パラでは江東区青海3丁目地先の「海の森水上競技場」でボート、カヌー等の競技が行われる。

パラカヌーってどんな競技?

瀬立モニカ選手[写真]

 一般的にカヌーは知っているけれども、競技について詳しくは知らないという方が多いと思います。そこで、カヌー競技について少しお話を伺いましょう。

 「ボートと間違われやすくて『あぁカヌーね』ってボートを漕ぐ動きをする(笑)。ボートとカヌーの違いは、ボートは後ろ向きで進み、カヌーは前向きで進む。競技は、水泳のようにレーンがあり、パラカヌーの場合は200mでの早さを競います。」

 パラカヌーには、カヤックとヴァーの2種目があります。

 「私はカヤックをメインでやっています。カヤックは両サイドにブレード(水をかく部分)があるパドル(櫂)を左右交互に漕いで艇を進ませていくのに対し、ヴァーは、左右どちらか片方のブレードだけで漕ぎ進めるのです」

 艇の重さや長さには規格があり、パラの場合、長さは5.2m以内、重さは12kg 以上、さらに安全性確保のため、幅は50cm以上という配慮がされています。それでも「一般の人が乗ったら艇は一瞬で転倒してしまいますね」

 カヌーは座る所が通常お椀型になっていますが、モニカさんの場合は、腹筋、背筋も使えないため、特性のカーボンのシートをオーダーしているのだとか。さらに、「腹あてといって腹筋の代わりになるような腹筋ベルトをしますが、ひっくり返ったときにそのベルトが取れないと艇から抜け出せなくて事故につながってしまうこともあるんです。そういう意味では、パラカヌーは命がけの競技なんです」

瀬立モニカ選手[写真]

ホーマーイオン研究所との出合い、
そしてサポート

瀬立モニカ選手[写真]

 モニカさんは障害を負ったときからリハビリにも取り組んできました。弊社の医療機器のご使用もその一つ。広島大学の木村教授や、日本障害者カヌー協会専属トレーナーで理学療法士坂光先生のご指導のもとB-SES※1をご使用いただいているご縁から、弊社のイベントにもご出演いただいた折、モニカさんの前向きで夢にチャレンジする姿勢、気さくで素晴らしい人柄に触れ、弊社としてさらに応援できることはないかと考えました。そこで、B-SESによるコンディショニングを含め、サポートしていくこととなりました。

 いろいろな機器をご使用いただく中で、その効果や使い心地、今後の期待などについて伺いました。まずG-TES※2について。

 「G-TESはとてもいいですね。練習後に痙性(筋肉が硬直するなどの症状)が強い時のケアや、練習前の痙性抑制に使用していますが、実際に抑制のケアを行うことで、艇の上での痙性が抑制され、パフォーマンスが上がったように感じます。また、手根管症候群といって手首の痛みがあるんですが、それにもパッド電極を使用してケアをしています。これがあるから大丈夫という安心感もまた心強いですね。今後はカラダ全体のケアにも利用できると良いなと思っています」

 では、ベルナーヴ※3はいかがでしょうか。

 「ベルナーヴは簡単に持ち運びができるから、短期間の遠征などで利用する機会が多いです。首回りや肩など、局所的に貼ることができて便利でした」

 車椅子になられてから、医療機器の他に、モニカさんの心の支えなっている言葉がありましたらお聞かせください。

 「“笑顔は副作用のない薬”という母の言葉です。どんな薬にも多少の副作用などあったりしますが、笑顔には副作用がまったくない。そういう意味では最良の薬だと思っているので、いつも笑顔でいられるように心がけています」素敵な言葉ですね。

  • ※1「ベルト電極式骨格筋電気刺激法」。ベルトの電極を脚に巻き、下肢すべての筋肉を電気刺激で動かし、筋肉を鍛えたりコンディショニングを整えるなどの治療が行える。
  • ※2ベルト式電極で下肢すべての筋肉を鍛えたり、パッド電極で傷みや筋緊張を軽減する理学診療器
  • ※3体に貼り付ける電極がパップになっている携帯型低周波治療器
瀬立モニカ選手[写真]

地元で開催される
国際大会に向かって

 今後、地元東京で開催される国際大会について、モニカさんはどのように感じていらっしゃるのか、意気込みをお聞きしました。

 「前回、リオの大会に出させていただいた時に、パラリンピックの持つ影響力というか、街全体、ブラジル社会全体を巻き込んで盛り上がっているところを実際に肌で感じてきました。これだけの盛り上がりが4年後の2020年に自分の町で開催されるって考えた時に、すごく鳥肌がたったのを今でも覚えています。実際パラカヌーでリオ出身の選手が銅メダルを取った時は、会場から地響きが鳴るようなすごい声援で、私の地元でもこの感動を実際に体験してもらいたい、そう感じて“よ~し、次は自分が頑張るんだ”という思いが湧いてきました。それが今、一番のモチベーションにもなっていて、現実の目標として目指せるようになってきたところです」

 「2020年8月にその大会がやってくる」、とワクワク感いっぱいに語るモニカさん。地元にも、パラ競技にも貢献できるよう、これからも応援しています。

 「ありがとうございます。頑張ります!」

瀬立モニカ選手[写真]瀬立モニカ選手[写真]