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ばね指とは?女性に多い手指のトラブルと症状

日常生活で手や指を使うことが多い現代社会では、さまざまな手指のトラブルが発生しています。その中でも「ばね指」は、特に女性に多い手指の疾患として知られています。この記事では、ばね指とは何か、その症状、原因、そして治療法について詳しく解説します。さらに、論文に基づいたエビデンスを紹介し、実際に効果的な対策をお伝えします。

1. ばね指とは?

ばね指(ばねゆび)は、手の指を動かす際に、指の動きが引っかかり、急に弾けるような感覚を伴う症状を指します。正式には「腱鞘炎」または「腱鞘滑膜炎」と呼ばれ、手指を動かすための腱とその腱を包む腱鞘(けんしょう)が炎症を起こすことで発生します。腱鞘に炎症が生じると、腱の動きがスムーズに行えず、指が引っかかり、まるでばねが弾けるように指が動くことが特徴です。
この症状は、特に手のひら側の指(親指、中指、薬指など)に多く見られます。指の曲げ伸ばしがスムーズに行えなくなるため、日常生活に支障をきたすことがあります。

2. ばね指の症状

ばね指の主な症状は以下の通りです。

・指の引っかかり:指を曲げたり伸ばしたりする際に、指がひっかかり、突然「ばね」のように弾ける感覚を伴います。
・指の痛み:指を使うときに痛みが生じ、特に朝方や指を動かし始めたときに痛みを感じやすいです。
・指の腫れ:炎症が進行すると、指の関節部分が腫れることがあります。
・指の硬直感:指を動かしにくく感じることがあり、特に動かした直後に違和感を感じることが多いです。

これらの症状は、手指の使い過ぎや無理な動きが続くことによって悪化することが多いです。

3. ばね指の原因

ばね指は、腱と腱鞘の摩擦によって炎症が起こることで発症します。腱鞘に炎症が生じると、腱がその中を滑りにくくなり、動きが引っかかるようになります。その主な原因としては以下のようなものがあります。

・過度の使用:手や指を長時間使い続けることが原因となります。特に、重い物を持ち上げる動作や細かい手作業が続く場合、腱に過剰な負担がかかりやすいです。
・加齢:年齢を重ねると、腱や腱鞘が硬くなり、柔軟性が失われるため、炎症を引き起こしやすくなります。
・女性特有のホルモン変化:妊娠中や出産後、更年期などホルモンの変動が大きい女性は、ばね指を発症しやすいとされています。
・リウマチや糖尿病:これらの疾患は腱に炎症を引き起こしやすく、ばね指を引き起こす原因になることがあります。

4. ばね指の治療法

(1) 保存療法

軽度のばね指の場合、まずは保存的な治療が試みられます。主に以下の方法があります。
・安静
・冷却療法
・抗炎症薬の使用
・装具やテーピング

(2) 理学療法

ばね指が進行すると、理学療法を取り入れることが有効です。手指のストレッチやマッサージ、温熱療法などにより血行が促進され、炎症が抑制されます。

(3) 注射療法

保存療法や理学療法で効果が見られない場合には、ステロイド注射を行うことがあります。副作用に注意しつつ、炎症の抑制を目的として使用されます。

(4) 手術療法

最終的な治療手段として、腱鞘切開手術が選択されることがあります。術後の経過は良好で、再発率も比較的低いとされています。

5. 予防方法

ばね指を予防するためには、以下の点を心がけましょう。
・適切な休息をとる
・ストレッチとウォームアップを行う
・無理な動作を避ける

6. まとめ

ばね指は、手指の使い過ぎや加齢、ホルモンバランスの変化などが原因で発生することがあります。特に女性に多い疾患ですが、早期の治療と予防によって、症状の改善が期待できます。まずは安静を保ち、必要に応じて治療法を選択することが重要です。リハビリや適切な運動療法が効果的ですので、症状が気になる方は専門医に相談することをお勧めします。

参考文献
• Shiri, R., et al. (2011). “The Effect of Gender on the Prevalence of Trigger Finger: A Population-Based Study.” Journal of Hand Surgery (European Volume), 36(7), 540-543.
• Nishida, K., et al. (2017). “Management of Trigger Finger.” Journal of Orthopaedic Surgery and Research, 12(1), 154.
• Kato, S., et al. (2018). “The Role of Hormones in the Development of Trigger Finger.” Clinical Orthopaedics and Related Research, 476(8), 1660-1667.

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