当サイトページは日本国内の医療関係者(医師、理学療法士、その他医療関係者)の皆様を対象に医科向け医療機器を適正にご使用いただくための情報を提供しています。
日本国外の医療関係者や、一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、あらかじめご了承ください。

医療関係者ですか?

YES
/
NO

NOを選択すると、
トップページに戻ります。

働く世代に知ってほしい!熱中症・脱水症状の予防と対処法【知っ得!健康知識】

はじめに

夏になるとニュースで取り上げられることが増える「熱中症」。実は、炎天下で働く人だけでなく、室内で仕事をしている人でも発症するリスクがあることをご存じでしょうか?特に働き盛りの世代は、忙しさや気温の変化に無自覚になりがちで、知らぬ間に体調を崩してしまうケースも少なくありません。
本コラムでは、熱中症や脱水症状の基礎知識と、働く世代が意識すべき予防法・対処法を、エビデンスをもとにわかりやすく解説します。

熱中症とは?

熱中症は、高温多湿な環境下で、体の体温調整機能がうまく働かなくなることで起こります。体に熱がこもり、さまざまな身体的異常が引き起こされる状態の総称で、めまいや吐き気、意識障害、けいれんなど、症状の幅は広く、時に命に関わることもあります。

主な原因
・高温多湿な気候
・長時間の屋外作業
・室内での水分不足や空調環境の悪化
・暑さに体が慣れていない(暑熱順化が不十分)

厚生労働省によると、2023年の熱中症による救急搬送者数は過去最多を記録しており、年齢や職業を問わずリスクがあることがわかっています。

脱水症状との関係

熱中症と密接に関係しているのが「脱水症状」です。脱水症状とは、体内の水分や電解質が不足し、体の機能に不調が生じる状態を指します。
人は汗をかくことで体温を下げていますが、その際には水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。これが補えないままになると、血液の循環が悪化し、熱中症のリスクが一気に高まるのです。

熱中症・脱水症状の主な症状

重症度主な症状
軽度めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返り、発汗
中等度頭痛、吐き気、倦怠感、集中力の低下
重度意識障害、けいれん、高体温(40℃以上)

このように段階的に進行するため、軽い症状のうちに対応することが重要です。

働く世代が注意すべきポイント

「室内でも油断しない」
オフィスや在宅勤務では、エアコンの使用によって脱水に気づきにくくなることがあります。長時間座りっぱなしで水分補給を怠ると、軽度の脱水が進行してしまいます。
また、通勤時やランチタイムの外出など、短時間の屋外活動でも油断は禁物です。

「自律神経の乱れにも注意」
ストレスや不規則な生活によって自律神経の働きが乱れると、体温調整がうまくできなくなります。慢性的な疲労や睡眠不足も熱中症の一因となるため、日常の体調管理が重要です。

予防の基本は「水分補給」と「暑熱順化」

水分と電解質の補給
熱中症・脱水の最大の予防策は、こまめな水分補給です。のどが渇く前に、1時間に1回程度コップ1杯(約200ml)の水を飲む習慣をつけましょう。
大量の汗をかいたときは、水だけでなくナトリウムを含むスポーツドリンクや経口補水液を摂ると効果的です。

暑熱順化の促進
体を暑さに慣らす「暑熱順化」は、数日間かけて徐々に体を暑さに適応させることで得られます。軽い運動や入浴で汗をかくことが、暑熱順化の促進に役立ちます。
とくに梅雨明け直後の高温期は要注意です。急激な暑さに体が対応できず、重度の熱中症を引き起こすケースもあります。

万が一の対処法

軽度〜中等度の対応
・涼しい場所へ移動し、休息を取る
・衣類をゆるめ、首や脇の下、足の付け根を冷やす
・スポーツドリンクや経口補水液を摂取する

重度の場合(意識がない、けいれんがある)
・すぐに119番通報し、救急要請
・無理に水を飲ませない(誤嚥の危険)
・医療機関での迅速な処置が必要

まとめ

熱中症と脱水症状は、決して高齢者や屋外作業者だけの問題ではありません。働く世代の私たち一人ひとりが、日常の中で「水分をこまめに取る」「暑さに体を慣らす」「体調の変化に敏感になる」といった基本を実践することで、重症化を防ぐことができます。
暑さが厳しくなるこれからの季節、少しの意識と行動が自分と周囲の健康を守ることにつながります。

関連商品

記事一覧に戻る