当サイトページは日本国内の医療関係者(医師、理学療法士、その他医療関係者)の皆様を対象に医科向け医療機器を適正にご使用いただくための情報を提供しています。
日本国外の医療関係者や、一般の方への情報提供を目的としたものではありませんので、あらかじめご了承ください。

医療関係者ですか?

YES
/
NO

NOを選択すると、
トップページに戻ります。

分割睡眠のメリットとデメリット~4つの取り組み方も紹介~

はじめに

仕事などが忙しく、まとまった睡眠時間をとれずに悩んでいませんか。このようなときに気になるのが分割睡眠です。とても便利に思えますが、身体に悪影響を及ぼさないのでしょうか。このページでは、分割睡眠の影響やメリット・デメリットなどを解説しています。興味のある方は参考にしてください。

分割睡眠は危険?身体への影響とは

最初に分割睡眠の概要と身体への影響を解説します。

分割睡眠とは

1日の睡眠を何度かにわけてとることを分割睡眠といいます。例えば1日8時間の睡眠を4時間に分けて2回とることなどが該当します。ちなみに1日の睡眠を分割せずにとることを単相性睡眠といいます。

分割睡眠が身体に与える影響

現代人の主な睡眠パターンは単相性睡眠であるため、分割睡眠にすると身体を壊すのではと感じる方がいるはずです。もっともな意見に思えますが、研究者の中には分割睡眠こそ人間本来の眠り方と主張する方がいます。哺乳類の基本的な眠り方が分割睡眠だからです。また電気がない時代と同じ生活を送ると分割睡眠になったとする研究結果も、この説を後押ししています。まとまった睡眠時間を確保しづらい方は、考え方を変えて分割睡眠に切り替えるとよいかもしれません。

分割睡眠のメリット

分割睡眠には次のメリットがあります。

まとまった睡眠時間をとれなくても焦らなくてよい

単相性睡眠の場合、連続で6~8時間程度の睡眠時間を確保しなければなりません。忙しい時期はこのような時間を確保しづらいはずです。分割睡眠に取り組んでいれば、まとまった睡眠時間を確保できなくても焦らなくて済みます。

分割睡眠のデメリットや弊害

分割睡眠には気を付けたいデメリットもあります。以下の点には注意しましょう。

身体に対する影響がわからない

現在のところ、分割睡眠が身体に与える影響ははっきりとわかっていません。人間本来の眠り方と考える研究者もいれば、分割睡眠の8時間と単相性睡眠の8時間を同じように考えることはできないとする研究者もいます。身体に与える影響がわかっていない点には注意が必要です。

睡眠不足の影響

いずれにせよ睡眠不足が続くと身体に以下の影響が及びます。

①食欲増進

睡眠不足になると食欲を抑えるレプチンというホルモンの分泌が減って、食欲を増進させるグレリンというホルモンの分泌が増えます。寝不足が続くと太るかもしれません。

②生活習慣病

慢性的な睡眠不足は、肥満だけでなく高血圧や糖尿病、脂質異常症のリスクも高めます。

あえて分割睡眠にする必要はない

睡眠不足が続くと、食欲増進・生活習慣病以外の影響も及びます。現在のところ、まとまった睡眠時間を確保できる方が、あえて分割睡眠に取り組むメリットは少ないといえるかもしれません。

分割睡眠の4つの方法

最後に分割睡眠をとる4つの方法を紹介します。

シエスタスリープ

最もオーソドックスな方法といえるのが、夜にまとまった睡眠をとって昼寝で不足を補うシエスタスリープです。シエスタはスペイン語で昼寝を意味します。午後の早い時間に30分以内の昼寝をすると、眠気による作業効率の低下を防げると考えられています。昼食以降の眠気が気になる方や午後の作業効率をアップしたい方は、シエスタスリープを取り入れるとよいかもしれません。

出典:厚生労働省:健康づくりのための睡眠指針2014
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

アンカースリープ

「Anchor(アンカー)」=船の錨(いかり)に由来し、1日24時間のうち、3〜5時間程度のまとまった睡眠(アンカー睡眠)を夜間にとり、残りは短い仮眠で補う方法です。例えば午後11時から午前3時までは必ず寝て、残りの睡眠を他の時間帯にとるなどが該当します。睡眠時間が不規則であっても、生活のリズムが崩れにくいとされています。

ウーバーマンスリープ

ドイツ語「Übermensch(超人思想/ニーチェの哲学)」に由来した「Uberman(ウーバーマン)」=英語で「超人(superhuman)」の意味を持つこの睡眠法は、4時間ごとに20分の睡眠をとる、あるいは3時間ごとに20分の睡眠をとる少し極端な方法です。前者の場合は20分間の睡眠を6回とることになるので1日の睡眠時間は2時間、後者の場合は20分の睡眠を8回とることになるので、1日の睡眠時間は2時間40分となります。生産性を最大化できるとされている反面、社会生活と両立が困難な上、医学的にはリスクが大きく、一般的には推奨されていません。

8:4サイクル型ポリフェーズスリープ

名称としては確立されていませんが、「8:4サイクル型ポリフェーズスリープ」や「タイムブロック型多相性睡眠」などと位置づけられている「4時間寝て8時間活動する」を繰り返す方法があります。2サイクルで24時間となります。24時間を2つに分けて睡眠をとるので、16時間おき続ける(8時間まとまった睡眠をとる場合)よりも生産性が高まるとする意見もあります。

分割睡眠は体への影響を考えて行いましょう

1日の睡眠を複数回に分けてとることを分割睡眠といいます。まとまった睡眠時間を必要としないメリットがあります。忙しくて睡眠時間を確保しづらい方や眠りたくても眠れない方は挑戦するとよいかもしれません。ただし健康への影響ははっきりとわかっていません。よって積極的に取り組むメリットは少ないと考えられます。分割睡眠にはシエスタスリープやアンカースリープなどいくつかの方法があるので、自分に合っている方法を探してみるとよいでしょう。

関連商品

記事一覧に戻る