「メラトニン」という物質は人間の睡眠サイクルにとって必要不可欠だとされていますが、サプリメントの過剰摂取や過剰分泌による副作用も報告されています。体に害のない範囲でメラトニンを分泌させるためには、働きや睡眠への影響を正しく知っておくことが必要なので、ご紹介する内容を参考に過剰摂取に注意しましょう。
まず、メラトニンという物質の働きや役割について解説します。
メラトニンとは、人間の自然な睡眠サイクルにとって必要なホルモンです。脳の「松果体」というところから分泌されるホルモンで、「睡眠ホルモン」とも呼ばれる通り、1日24時間の中で起床と就寝のサイクルを担っています。
正常に分泌されなくなると、眠るべき時間に眠れない、起きるべき時間に起きられないなど、睡眠のサイクルが崩れることになります。規則正しい睡眠を摂るためには欠かせない物質です。
メラトニンは起床時に最も少なく、起床後15時間ほど経過すると増え始めます。太陽光や照明などの「光」によって分泌量が調整されるため、朝日を浴びることや、眠りに就く前に照明を暗くすることなどが正常なサイクルに効果的です。
朝7時に起床する人であれば、夜22時頃から増え始めて眠気を感じだし、スムーズに眠りにつけるようであれば正常に分泌されていることでしょう。分泌が最も多くなるのは、眠りについてからの午前3時。そして、午前3時から徐々に少なくなり、起床時に最も少なくなる…というサイクルを形成しています。
メラトニンは睡眠にどのような影響をもたらしているのでしょうか。
メラトニンには催眠作用があるとされ、眠気を催させて、スムーズな睡眠へと導きます。ただし不眠症を改善するほどの催眠作用ではないとされており、あくまでも「自然な眠気を催させる」という範囲に留まるとされています。眠るべき時間に自然と眠くなるのは、睡眠ホルモンの分泌の影響です。
メラトニンが分泌されるタイミングは、睡眠サイクルに影響を与えます。分泌のサイクルが遅れ気味になると深夜まで眠れなくなり、早くなりすぎると眠るべき時間よりも前に眠くなることに。分泌されるサイクルが、起床時間と就寝時間の規則正しさに大きく影響します。
睡眠ホルモンが分泌されることは健やかな眠りに欠かせませんが、サプリメントなどでの過剰摂取や過剰分泌では、副作用がもたらされると報告されています。
メラトニンを含むサプリメント摂取後に発生した90件の有害事象がANSESの栄養監視システムに報告された。有害作用は一般的な症状(頭痛、めまい、眠気、悪夢、過敏症)、神経疾患(振戦、片頭痛)及び胃腸疾患(吐き気、嘔吐、腹痛)のように様々であった。
副作用の傾向はさまざまですが、サプリの摂取が必ずしも良い結果をもたらすとは限りません。フランスでは妊娠・授乳中の女性、子供、特定の疾患を持つ人に対しては、摂取しないようにとの警告が出されているほどです。
ご紹介した症状以外でも、副作用が起こり得る可能性もあるでしょう。
メラトニン含有サプリを長期的に服用した場合のデータはなく、安全性が確立されていません。
メラトニンの長期摂取による作用に関する十分なデータがないことから一時的な摂取に限ることを推奨する。フランスではメラトニンを含むサプリメントの販売は2mg/日を下回るように規制されている。
サプリを服用して副作用が現れなかったとしても、長期的に服用することで何らかの副作用が現れる可能性は十分に考えられます。安全性が確立されていない以上、例え服用したとしても、一時的な活用に留めておくべきです。
メラトニンをサプリなどで過剰摂取したり、分泌を過剰に促進させたりすると、副作用が現れる危険性があります。
「睡眠ホルモン」と呼ばれているように、人間の睡眠サイクルに欠かせないホルモンですが、あくまでも自然な分泌が行われたときに効果的に働くものです。体内に過剰に存在する状態になると、ANSESからの報告のように副作用が現れる可能性は高いでしょう。
サプリで睡眠ホルモンそのものを外から補うよりも、その他の安眠・ストレス軽減に役立つ成分を配合したサプリの方が安全です。

