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冬に増える褥瘡リスクを防ぐ!臨床で役立つケアの実践ポイント

はじめに
冬は寒さと乾燥によって皮膚や循環に大きな影響を与える季節です。特に褥瘡は、わずかな刺激や血流障害によって悪化しやすく、患者さんの生活の質を著しく低下させる要因となります。高齢者や寝たきりの方にとって、冬は褥瘡リスクが高まる時期であり、医療従事者にとっては予防とケアの徹底が欠かせません。本コラムでは、冬季特有の環境要因を踏まえた褥瘡ケアのポイントを整理し、日々の臨床で活かせる実践的なヒントをご紹介します。

冬に褥瘡が悪化しやすい理由

乾燥による皮膚脆弱化
冬は湿度が低下し、皮膚のバリア機能が弱まります。乾燥した皮膚はひび割れや表皮剥離を起こしやすく、わずかな摩擦や圧迫でも損傷につながります。

血流の低下
寒さにより末梢血管が収縮し、皮膚への血流が減少します。その結果、圧迫部位の組織が虚血状態になりやすく、褥瘡形成や治癒遅延につながります。

活動量の減少
冬は活動量が落ち、ベッドや車椅子で過ごす時間が増える傾向にあります。長時間同じ姿勢で過ごすことが、持続的な圧迫を引き起こし、褥瘡リスクを高めます。

冬の褥瘡予防に必要なケア

体位変換と体圧分散
褥瘡予防の基本は体位変換です。2時間ごとを目安に姿勢を変えることで、局所の血流を保ちます。加えて、エアマットレスや体圧分散クッションを用いることで、皮膚にかかる圧を分散しやすくなります。

保湿とスキンケア
冬の皮膚乾燥対策として、入浴や清拭の後に保湿剤を塗布することが重要です。セラミドや尿素を含む保湿剤は角質層の水分保持に役立ち、皮膚の抵抗力を高めます。スキンケアを日課として組み込み、乾燥や赤みが出ていないかを観察することも忘れてはなりません。

栄養管理
十分な栄養は創傷治癒に欠かせません。タンパク質やビタミン、ミネラルをバランスよく摂取できているかを確認しましょう。特に高齢者では、冬に食欲が低下しやすいため、少量でも高栄養の食品やサプリメントを活用する工夫が有効です。

室温・湿度管理
冬の乾燥や寒さを和らげるために、室温と湿度の調整は欠かせません。室温は20〜23℃程度、湿度は40〜60%を目安に維持すると皮膚に優しい環境を作れます。加湿器や濡れタオルを活用するのも効果的です。

ケアを支えるリスク評価

褥瘡の予防や早期対応には、定期的なリスク評価が欠かせません。患者の皮膚状態、栄養状態、活動性、全身疾患の有無などを総合的に評価し、個々のリスクに応じたケアを実施します。冬季は特に乾燥と循環不全の影響が強いため、よりきめ細やかな観察が求められます。

治療ケアの工夫

適切なドレッシング材の選択
創部が乾燥しすぎないよう、湿潤環境を保てるドレッシング材を選択することが治癒促進につながります。フォーム材やハイドロコロイド材は、滲出液を吸収しつつ保湿効果を維持するため、冬のケアに適しています。

物理療法の活用
血流を改善する目的で、電気刺激や温熱を補助的に取り入れることがあります。これにより組織の修復が進みやすくなり、難治性褥瘡の改善につながることが期待されます。

リハビリとの連携
理学療法士や作業療法士と協力し、関節可動域訓練や下肢筋力訓練を行うことで活動性を高め、体圧分散につながります。ベッド上での座位保持訓練も、圧迫予防の観点から有効です。

在宅や施設でのケア指導

患者さんや家族が自宅でケアを継続できるよう、具体的な指導が欠かせません。
・部屋の温度・湿度を一定に保つ
・定期的に体位を変える
・皮膚の状態を毎日確認する
・食事や水分摂取を怠らない
こうしたシンプルな習慣を徹底することで、褥瘡の発生リスクを大きく下げることが可能です。

まとめ

冬は乾燥や寒さ、活動量低下などが重なり、褥瘡が悪化しやすい季節です。医療従事者は、体位変換・スキンケア・栄養管理・環境整備といった基本的なケアを徹底しつつ、個々のリスクに合わせた計画を立てることが求められます。また、患者や家族へのわかりやすい指導と多職種による連携を通じて、冬の褥瘡ケアの質を高めていくことが重要です。

掲載日:2026/1/24

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