手のしびれや痛み、手指のこわばりを感じたことはありませんか?それは「手根管症候群」という症状かもしれません。特にパソコンやスマートフォンを日常的に使う働く女性に多く見られる手のトラブルで、早期に適切なケアを行うことが重要です。本コラムでは、手根管症候群の基礎知識から、自宅でできるマッサージやツボを活用したケア方法まで、具体的かつエビデンスに基づいて解説します。
手根管症候群は、手首にある「手根管」という骨と靭帯で囲まれたトンネルの中を通る正中神経が圧迫されることで生じる障害です。正中神経は手の親指・人差し指・中指・薬指の一部を支配しており、この神経が圧迫されると、しびれや痛み、動かしにくさなどの症状が現れます。
特に、長時間のタイピングやスマホ操作、手作業が多い人に起こりやすく、症状が悪化すると日常生活に支障をきたすこともあります。
手根管症候群では、以下のような症状が現れることがあります。
・しびれやチクチク感:特に親指、人差し指、中指、薬指の一部に起こりやすい
・手のこわばり:朝起きたときに手が動かしにくく感じることがある
・握力の低下:物を持つ力が弱くなったり、落としやすくなったりする
・痛みや焼けるような感覚:手首や前腕に痛みが放散することもある
症状は初期には軽く、就寝中に手がしびれることが多いですが、進行すると日常生活に影響を及ぼすことがあります。
手根管症候群の原因はさまざまですが、主に以下の要素が関係しています。
・手首の反復動作:長時間のタイピングや手作業
・手首の姿勢不良:手首を反らしたり曲げたりした状態での作業
・ホルモンの影響:妊娠中や更年期にむくみやすくなることが関与
・既往症:糖尿病や関節リウマチなどで神経や関節が影響を受ける
研究によると、女性は男性に比べて手根管症候群にかかりやすく、特に30〜50代の働く女性に多く見られます。
症状が軽い場合、自宅でできるケアを行うことで進行を抑え、手の健康を保つことが可能です。ポイントは「手首と手指の血流改善」と「神経への負担軽減」です。
手首や手指のストレッチは、手根管の圧迫を和らげるのに有効です。以下の方法が簡単に行えます。
1.手のひらを前に向けて腕を伸ばす
2.反対の手で指先を優しく後ろに引く
3.10秒ほど保持し、左右交互に2〜3回行う
研究では、手首の柔軟性向上が手根管症候群の症状改善に寄与することが示されています。
手指のマッサージは、血流を促進し神経への圧迫を軽減します。親指で手のひらや指の付け根を、円を描くように優しく押すだけでも効果があります。
特に、手根管の真上にある手首中央部分を軽く揉むことで、神経周囲の緊張を和らげることが可能です。
東洋医学では、手根管症候群に関連するツボ押しも有効です。代表的なツボをいくつかご紹介します。
・合谷(ごうこく):手の甲、親指と人差し指の間のくぼみ

→血流改善、手指のしびれ緩和に効果的
・内関(ないかん):手首の中央から指3本分上、前腕の中央

→手首の神経や血流のバランスを整える
ツボ押しは、痛気持ちいい程度で1日数回行うと、手のこわばりやしびれが和らぐことがあります。
長時間のパソコン作業やスマホ操作は手根管に負担をかけます。以下の工夫も効果的です。
・手首を曲げずにキーボードを打つ
・手首用のリストレストを使用する
・1時間に1回は手指を軽く動かす休憩を取る
これらは手首の圧迫を減らし、症状の進行を防ぐことに寄与します。
手根管症候群の症状は、冷えると悪化する傾向があります。温かいタオルやハンドウォーマーで手首・手指を温めると、血流が促され、こわばりやしびれが和らぎやすくなります。
手根管症候群は、日常の手指や手首の使い方によって進行する可能性がありますが、適切なセルフケアで症状の悪化を防ぐことが可能です。手首や手指のストレッチ、マッサージ、ツボ押し、作業環境の工夫、温活などを組み合わせることで、働く女性でも手の健康を守ることができます。
症状が強く、しびれや痛みが改善しない場合は、早めに医療機関を受診し、専門的な治療を受けることが大切です。セルフケアと医療の両輪で、手指の快適な状態を維持しましょう。
掲載日:2026/2/6

