2025年12月取材


まえだ整形外科リウマチクリニック院長の前田俊恒と申します。当院は、兵庫県尼崎市にある整形外科クリニックで、阪急園田駅から徒歩1分という非常に便利な場所にあります。当院では、一般的な整形外科診療はもちろん、関節リウマチや骨粗鬆症といった慢性疾患、さらに怪我や切り傷などの処置にも対応しています。また、院内にリハビリ室を備え、リハビリテーションにも力を入れており、患者さんの健康寿命をトータルにサポートする医療を心がけています。
患者さんは、さまざまな症状やお悩みを抱えて当院に来院されます。痛みや動かしにくさといった身体的な症状だけでなく、「なんとなく調子が悪い」「体が重だるい」といった不調を訴えられる方や、相談目的で来院される方もいらっしゃいます。私は、患者さんが何に困っていて、何を解決したいのかといったことを、その背景まで丁寧にお話をお伺いし、お一人おひとりに最適なアプローチを心がけて診療を行っています。
当院では、一般整形外科診療に加え、関節リウマチや骨粗鬆症、スポーツ整形外科などの幅広い分野の診療を行っています。さまざまな患者さんにお応えできるように、当院では、レントゲン検査や超音波検査、骨密度測定や血液検査などを活用し、患者さんのどこに問題があるのかをしっかり見極めたうえで診療しています。また、関節リウマチなどの慢性疾患は、急に悪くなることもありますので、院内で血液検査を行い、当日中に結果がわかる体制を整えています。さらに、骨粗鬆症については、全身型の骨密度検査であるDXA(デキサ)法を導入し、骨の状態をより正確に知ることが可能です。
患者さんは、若い方からご高齢の方まで幅広く、症状も軽症から重症まで多岐にわたります。

整形外科で患者さんを診療していく中で、「歩きたいけれど歩けない」「体が思うように動かない」と悩まれる方が多くいらっしゃいます。運動やリハビリが重要だと理解していても、痛みや不安からなかなか始められない方も少なくありません。患者さんの、動けない、歩けないといった困りごとを少しでも改善したいという思いから、基礎的な体力や筋力を無理なく強化するサポートとして、G-TESを導入しました。
来院される患者さんは、腰や首肩、あるいは膝などに痛みを抱えている方が比較的多くいらっしゃいます。例えば変形性膝関節症の患者さんでは、大腿四頭筋の筋力低下が歩行障害の大きな原因になります。先日も、70代の女性の患者さんで、変形性膝関節症による軟骨のすり減りがあり、どうにも歩きにくいという方がおられました。痛み止めなどお薬の治療や関節注射などを行うとともに、リハビリの中でG-TESを取り入れたところ、その方は週に1回ほど通っておられたのですが、2か月ほど経った頃からだんだん歩けるようになってきました。ちょうどその頃大阪万博がありまして、その患者さんは、最初は車椅子で来院されていたのですが、G-TESの導入から2ヶ月ぐらいすると、ご自身の足で歩けるようになり、大阪万博にも無事に行くことが出来たと、とても喜んでおられました。
また、当院に多い関節リウマチの患者さんに対しても、G-TESの使用が筋力低下の予防・回復に高い効果を有すると感じています。痛みが続くと、どうしても関節を動かさなくなり筋力が低下してしまいます。特に下肢の筋力は、一度弱ってしまうと回復が難しく、リウマチの方はなおさら注意が必要です。大腿四頭筋や殿筋、腰回りなど体感の筋肉がしっかりついてきているのが、歩いている姿を見ていてもよく分かります。患者さんも大変喜ばれており、今も継続して使用しています。
私自身も正直、ちょっと意外だったのが、腰痛をお持ちの方で、立ち上がる動作がしにくかったり、長く座っていると痛みが出てきたりと、体幹の筋力が低下している方にG-TESを導入してみたところ、「長時間座っていても腰の痛みが出にくくなった」「立ち上がる動作が楽になった」といった変化が見られました。さらに、「朝の歯磨きの際に前かがみの姿勢が取りやすくなった」ことや、「以前と比べて生活がだいぶ楽になった」という、日常生活の質が向上したという声も聞いています。
運動療法やリハビリを行う際、関節の痛みがあったり、体を動かすこと自体に不安や怖さを感じられたりと、なかなかリハビリに取り組めない方も少なくありません。G-TESは、足にベルトを装着し、電気刺激を加えることで筋肉に働きかける機器で、使用にあたって患者さんは積極的に体を動かす必要もありませんし、座っているだけでしっかり電気刺激が筋肉に伝わり、筋力を鍛えるということができますので、リハビリで体を動かすことに抵抗がある方にも導入しやすいと思います。特に、長期的な視点で見ると、リハビリとの相乗効果も期待できるという点は非常に大きな利点だと思います。徒手療法で拘縮を取ることなどは出来ますが、そこから筋力をつけてゆくのは、どうしても次の段階になりますので、リハビリと並行してG-TESで筋力増強を図れるということはとても重要だと思います。
また、関節に痛みのある方は、痛みがある間は体を動かすことが難しいので、まずはお薬や注射で痛みを抑えてからその後にリハビリを行うという流れになることが多いですが、G-TESの使用時は、体を動かす必要がありませんので、痛みがある状態でも、初期の段階から導入できるのが魅力的だと思います。
当院では現在のところ、G-TESの使用を消炎鎮痛処置の一環として行っています。理学療法士が行う治療の前後にG-TESを取り入れ、運動療法との組み合わせでG-TESとの相乗効果を図るという形で行っています。理学療法士が行う、20分を主体とした運動療法の前後にG-TESを導入して、合わせて徒手療法も行うという形にしています。G-TESを消炎鎮痛目的で、ほぼ毎日のように通われている方もいらっしゃいますが、基本的には運動療法との組み合わせでG-TESを使用しています。
当院は、開院当初からG-TESを導入し、さまざまな患者さんに活用しています。膝に痛みがあり、当初は階段の上り下りが出来なかった方が、足が軽くなって歩けるようになり、階段も上れるようになったというお声や、腰に痛みがあり長距離を歩くのが大変だった方が、以前よりも歩く距離が伸びたというお声もいただいています。特に、痛みがあったり、関節を動かすのは怖かったりといった患者さんに、初期の状態からG-TESを導入できるということは大変魅力的です。やはり初期の段階からG-TESを導入し
て、リハビリと並行しておこなうことで、治療効果も高まっていると思います。

これまで痛みがあって体を動かせなかった方にも、G-TESを導入することで、しっかりと歩けるようになっていく、その点が、非常に魅力的なツールだと感じています。現在、日本では高齢化が進み、サルコペニアによる筋力低下や、転倒、フレイルの予防といった課題の解決がますます重要になっていると思います。G-TESは、ご高齢の方や、これまで治療への介入が難しかったケースにもアプローチできる点が、大きな特長だと思っており、今後も、適応できる方をしっかり見極めて導入していきたいと考えています。
当院は、骨粗鬆症の検診、治療にも力を入れ積極的に行っています。骨密度が低下した場合、従来は、薬物治療を始めることが一般的とされてきました。もちろん今でも、お薬による治療は大事なのですが、一方で、食事療法や運動療法も、骨を強くするうえで重要な治療法になります。特に、運動療法で運動してしっかり筋力を鍛えて、骨に刺激を与えることが、骨粗鬆症の予防と改善に大変重要です。当院では、この点に注目し運動療法を積極的に取り入れ骨粗鬆症の予防・治療にアプローチしています。理学療法士が、しっかり患者さんの骨の状態を見て、特に下肢を中心に刺激を与えて筋力の強化をしています。G-TESはその基礎づくりとして大きな役割を担っています。薬物療法を単独で行うよりも、薬物療法と運動療法を組み合わせる方が、より効果が高いということは明らかですので、骨粗鬆症の方にも、積極的にリハビリを活用した運動療法を展開しています。
骨粗鬆症の患者さんは、ご自身での症状の気付きが乏しく、骨折してから骨密度を調べたら骨粗鬆症だったという方がほとんどです。骨粗鬆症の検診に来られる方もいらっしゃいますが、全体としては少数派です。例えば、日本でのがん検診の受診率は、およそ40%というデータがありますが、骨密度などの骨に関する検診の受診率は、5から10%にとどまっており、まだまだ骨粗鬆症という病名や、具体的な症状が十分に認知されていない現状です。我々は、骨に関する検診の重要性や、骨粗鬆症についての知識の啓蒙活動をしっかり行っていかなければと思っています。
骨粗鬆症の治療の最大の目的は、骨折を起こさないことです。骨折してから治療を始めるのでは、実は遅いのが現実です。ただし、骨折後であっても治療を行うべきであり、次の骨折、いわゆる骨折の連鎖を防ぐこともとても重要です。
いちばん大切なのは、骨折を予防するという観点での治療だと思います。特に、背骨の骨折では、約3分の1の方は痛みを感じますが、残りの3分の2の方は骨折しても痛みを感じません、患者さん自身は骨折に気づきません。
骨粗鬆症に気づくポイントとして、身長が若い頃に比べて2cm以上低くなった、背中が曲がってきた、背中を壁につけたときに後頭部が壁につかなくなったといった変化が挙げられます。また、歩きにくさを感じられた場合にも骨密度を測ってみるのが良いと思います。このように、骨粗鬆症は自覚症状が乏しいため、患者さん自身が気付くのは、なかなか難しいと思います。

まえだ整形外科リウマチクリニックに理学療法士で務めております、宗和源太と申します。私たち理学療法士は、院長先生の指示のもとでリハビリなどをしていますが、先生がすべてを把握しきれない患者さんの病態などをしっかりと評価し、その結果を治療に活かすことをいちばん大切にしています。その一方で、患者さんには、できるだけリラックスした状態で治療を受けてもらいたいと思っていて、リハビリの現場で患者さんに接するときは、できるだけ堅苦しくならないように心掛け、ユーモアのある会話を交えて、患者さんが思わず “クスっと” 笑ってもらえるような、安心して治療をうけていただける雰囲気づくりに努めています。
まず先生から指示を受けて、その指示に基づいてG-TESを使用しています。実例としては、高齢者の、特に変形性膝関節症などで、ご自身では身体を動かしにくい患者さんにG-TESを使用するケースが多くあります。G-TESは、トレーニング性の高い機器だと思いますので、低周波治療器やリラクゼーション機器のような、温熱効果のあるリコンディショニングの要素が強い機器とは違うものであることをしっかり認識して、用途を履き違えずに患者さんに導入していきたいと思います。
G-TESを使用してみて、まず、患者さんがとても驚いています。筋肉はこんなにも動くのかといった感想をいただいています。ただし、電気刺激自体にネガティブな印象を持っておられる患者さんも多くおられますので、そういった患者さんには、まず、導入の段階では低い出力から始めて電気刺激に慣れていただき、徐々に出力を上げてゆくといった工夫もしております。
患者さんの多くは、痛みがあったり、運動への意欲が低かったりといった理由から、体を十分に動かせない状態にあります。そもそも、体を動かせない状態では、患者さんご自身で筋力増強を図ることは難しいので、そういった患者さんにG-TESで外部から筋肉に刺激を与えて、筋肉を大きくするというのは、とても効果的なアプローチだと思います。また、疼痛の多い方に対して、私たち理学療法士が運動療法を行いますが、その前にG-TESで筋肉に刺激を与えることで、筋緊張を和らげて、体を動かしやす
い状態を作ることができます。そこから運動療法に入ることで、運動療法をスムーズに進められる印象もありますので、こうした点からも、G-TESは運動療法を補完する機器として、大変有用だと思っています。
当院の院長は、今後、アスリートやスポーツをされている学生に対しての治療のビジョンも持っておりますので、そういった方に対してG-TESを用いることができればG-TESの真価をより発揮できると思っています。
運動療法における徒手とG-TESの使用について、個々の患者さんの状態に応じて、徒手とG-TESの使用の順序を工夫するなど、個別対応を重視しています。
G-TESを使用する前に徒手を行うほうが良いと思う患者さんは、例えば、筋緊張が高く、G-TESの刺激が入りにくいような方で、先にストレッチや軽擦を行い、場合によっては、他動的な筋力増強、まず体を動かして筋緊張がある程度緩和した状態になってからのほうが刺激が入りやすくなると思います。逆に、疼痛の強い患者さんの中には他動的に動かすことを嫌う方も多いので、そういった患者さんには、運動療法を行う前にG-TESを使用して、関節運動のない状態で筋肉に刺激を入れて、筋緊張を低下させてからのほうがスムーズではないかなと思います。

