感染症の流行期には、医療従事者が最前線で患者に対応することが求められます。その一方で、医療従事者自身が感染症に罹患するリスクも高まるため、日常的な健康管理とセルフケアは欠かせません。本コラムでは、感染症流行期における医療従事者のセルフケアの方法や健康維持のポイントについて解説します。
感染症流行期、特にインフルエンザや新型感染症が拡大する時期には、医療従事者は患者との接触頻度が増え、感染リスクが高まります。自身の体調を守ることは、周囲の医療従事者や患者への影響を最小限に抑えることにもつながります。そのため、普段からの感染予防策とセルフケアの徹底が必要です。
医療現場では標準予防策(Standard Precautions)の徹底が基本です。手指衛生や個人防護具(マスク、手袋、ガウン、ゴーグル等)の正しい使用は、感染症から医療従事者自身を守る最前線の手段となります。日常業務の中で習慣として徹底することが大切です。
過重労働や夜勤が多い医療従事者は、睡眠不足に陥りやすい傾向があります。睡眠不足は免疫機能の低下を招くため、感染症への抵抗力が弱まる可能性があります。流行期には特に意識して、睡眠の質と量を確保することが求められます。
免疫機能を維持するためには、日々の食生活も重要です。ビタミンやミネラル、タンパク質をバランスよく摂取することで、体調を整えることができます。忙しい勤務の合間でも、できるだけ栄養バランスを意識した食事を心がけましょう。
運動はストレス軽減と免疫維持の両方に有効です。長時間の運動でなくても、通勤時の歩行や休憩時間のストレッチなど、日常の中で体を動かす工夫を取り入れることが、セルフケアの一環として役立ちます。
感染症流行期には、身体的な負担に加えて精神的なストレスも高まります。長期的なストレスは体の防御機能に影響を及ぼすことがあるため、精神的なセルフケアも不可欠です。
短時間でもできる呼吸法や瞑想、ストレッチなどは、心身の緊張を和らげるのに効果的です。勤務前後や休憩時間に数分取り入れるだけでも、気分転換になりやすく、日々の疲労感を軽減できます。
仲間との会話や情報共有は、孤立感や不安感を和らげます。感染症流行期だからこそ、チーム内での協力やピアサポートを意識することが、精神的なセルフケアにつながります。
セルフケアは個人の努力だけで完結するものではありません。十分な休憩時間や防護具の安定供給、柔軟な勤務体制など、職場環境の整備が医療従事者の健康管理に直結します。組織として支援体制を整えることで、医療従事者の安心感と健康維持を高めることができます。
感染症流行期には、医療従事者が自らの健康を守るために、基本的な感染予防策とセルフケアを徹底することが求められます。手指衛生や防護具の活用、十分な睡眠や栄養、適度な運動、精神的ケア、そして職場環境からの支援が総合的に作用し、医療従事者の健康を支えます。医療従事者自身が健やかであることは、質の高い医療を継続的に提供するための基盤です。流行期を乗り越えるために、日々のセルフケアを大切にしましょう。
掲載日:2026/1/31

