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交代制勤務の医療従事者におすすめの食事管理と栄養バランス

はじめに

医療従事者は、交代制勤務や夜勤といった不規則な労働形態に従事することが多く、生活リズムの乱れが健康管理に大きな影響を与えます。特に睡眠不足や食事の乱れは、肥満、糖尿病、心血管疾患といった生活習慣病のリスクを高めることが知られています。そのため、医療従事者自身が適切な食事管理と栄養バランスを意識することは、自らの健康を守り、長期的に安全かつ質の高い医療を提供する上で欠かせません。

本コラムでは、医療従事者の交代制勤務における食事管理のポイントと栄養バランスの工夫について、最新のエビデンスをもとに解説します。

交代制勤務が健康に与える影響

交代制勤務は体内時計(概日リズム)を乱し、代謝異常やホルモン分泌の不調を引き起こすことが報告されています。とりわけ夜勤中の不規則な食事や高カロリー食品の摂取は、インスリン抵抗性を増大させ、肥満や糖尿病のリスクを高めます。

さらに、睡眠不足によるグレリン(食欲促進ホルモン)の増加とレプチン(食欲抑制ホルモン)の低下が、過食や間食を誘発することも示されています。したがって、医療従事者が健康管理を意識するうえで、食事の質とタイミングを整えることは極めて重要です。

食事管理の基本的な考え方

1.食事のタイミングを整える

夜勤では深夜に食事を摂ることが避けられない場合がありますが、深夜帯は消化・吸収の機能が低下しているため、脂質や糖質の多い食事は控えることが推奨されます。軽食や消化の良い炭水化物、タンパク質中心の食事が望ましいでしょう。

また、勤務終了後の「朝食」では高脂肪食を避け、消化の良い食品を選ぶことで睡眠を妨げにくくなります。

2.栄養バランスを意識する

交代制勤務者において特に意識すべき栄養素は以下の通りです。

・タンパク質:筋肉量の維持と疲労回復のために不可欠。鶏肉、魚、大豆製品を積極的に摂取。
・食物繊維:血糖値上昇を抑え、腸内環境を整える。野菜、海藻、全粒穀物を意識。
・ビタミンB群:エネルギー代謝をサポート。豚肉、卵、豆類に多く含まれる。
・ビタミンDとカルシウム:夜勤により日光曝露が減少しがちで、骨密度低下のリスクがあるため重要。魚類や乳製品を取り入れる。

夜勤中の間食と水分補給

夜勤中に空腹感を感じる場合、甘いスナックや揚げ物を選びがちですが、これは血糖値の急上昇・急下降を招き、眠気や集中力低下の原因となります。代わりに、ナッツ類、ヨーグルト、バナナ、チーズなどの間食が推奨されます。

また、夜間はカフェインの摂取タイミングにも注意が必要です。勤務開始直後の摂取は覚醒効果を得られますが、明け方に摂取すると帰宅後の睡眠に影響を与える可能性があります。水分はこまめに摂り、脱水を防ぐことも大切です。

具体的な食事モデル

交代制勤務を行う医療従事者に向けた食事モデルの一例を示します。

・夜勤前の夕食:鶏肉と野菜の炒め物、玄米ご飯、味噌汁
・夜勤中の軽食:おにぎり1個+ヨーグルト、バナナ
・夜勤明けの朝食:オートミール+フルーツ、スープ
・起床後の食事(昼食相当):焼き魚、ひじき煮、ほうれん草のお浸し、ご飯

このように、勤務シフトに応じて食事を調整することで、血糖コントロールや睡眠の質向上につながります。

健康管理における運動との組み合わせ

食事管理に加えて、適度な運動は交代制勤務による代謝異常を緩和するうえで有効です。特に有酸素運動や筋力トレーニングは、血糖コントロールやストレス軽減に寄与することが報告されています。

勤務前や勤務後の短時間でもよく、ストレッチや軽いウォーキングを取り入れることが、長期的な健康維持に有効です。

まとめ

医療従事者にとって、交代制勤務は避けられない働き方ですが、適切な食事管理と栄養バランスを意識することで、慢性的な疲労や生活習慣病のリスクを減らすことが可能です。

・食事のタイミングと質を整える
・栄養バランスを意識する(タンパク質、ビタミン、ミネラル)
・夜勤中の間食や水分補給に注意する
・運動習慣と組み合わせて健康管理を行う

これらを実践することが、医療従事者自身の健康を守り、安定した医療提供につながるのです。

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