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放っておくとどうなる?へバーデン結節とは~原因から治し方まで~

近年、特に中高年の女性を中心に「へバーデン結節(Heberden’s nodes)」という手指の関節トラブルに悩む方が増えています。関節の変形や痛みが日常生活に支障をきたすこともあり、放置してしまうと悪化するケースも少なくありません。この記事では、「へバーデン結節」とは何か、原因や症状、そしてエビデンスに基づいた治し方について詳しく解説します。

へバーデン結節とは?

へバーデン結節とは、手の指の第一関節が変形し、硬くなったり腫れたりする症状を指します。これは「変形性関節症」の一種であり、軟骨の摩耗や関節周囲の炎症が関与しています。
主に更年期以降の女性に多くみられ、エストロゲンの分泌減少との関連が指摘されています。指の第一関節に小さな骨の隆起ができ、これが痛みやこわばりの原因となります。

症状と進行

初期段階では軽い違和感やこわばりから始まり、次第に痛みを伴いながら関節が腫れてきます。進行すると関節の変形が目立つようになり、日常の細かい作業(ボタンを留める、ペンを持つなど)が困難になることもあります。
変形は進行性であり、一度進んだ変形は元に戻すことが困難なため、早期の対応が重要です。

へバーデン結節の原因

へバーデン結節の主な原因は、加齢に伴う関節軟骨の摩耗やホルモンバランスの変化、遺伝的要因とされています。家族に同様の症状を持つ人がいる場合、発症リスクが高まるという報告もあります。
また、指の使い過ぎや、長年にわたる手作業(家事、タイピング、楽器演奏など)も、関節に繰り返しストレスを与えることで発症の一因になると考えられています。

放っておくとどうなる?

へバーデン結節を放置すると、以下のようなリスクがあります:
・関節の変形が進行し、見た目に明らかな変化が出る
・痛みやこわばりが慢性化し、日常動作が制限される
・関節の可動域が制限され、握力が低下する

また、指の使い方をかばうことで、他の関節や筋肉に負担がかかり、手首や肘の痛みに波及することもあります。

へバーデン結節の治し方

へバーデン結節には、進行を抑えたり症状を軽減したりするためのいくつかの治療法があります。以下に主な治し方を紹介します。

1. 保存療法(薬物療法・物理療法)

・消炎鎮痛薬(NSAIDs):痛みや腫れを抑える目的で使用されます。
・温熱療法:温めることで血流を改善し、痛みやこわばりを軽減します。
・装具療法:関節に負担がかからないよう、サポーターなどを使用することがあります。

2. 生活習慣の改善

・指の使い方を見直す:長時間のタイピングやスマートフォンの使用を控え、こまめに手を休ませましょう。
・バランスの取れた食事:ビタミンDやカルシウム、抗酸化物質の摂取が骨や関節の健康維持に役立ちます。
・ストレッチや軽い運動:指の柔軟性を保ち、血行を促進する効果があります。

3. 補完代替療法

・鍼灸やマッサージ:一定の効果があると報告されているものの、個人差があります。
・グルコサミンやコンドロイチンのサプリメント:関節の軟骨成分を補う目的で利用されることがありますが、効果には賛否があります。

4. 手術療法

症状が重く、日常生活に著しい支障がある場合には、外科的治療(関節固定術など)も選択肢となります。ただし、あくまで最終手段であり、専門医の判断が必要です。

まとめ

へバーデン結節は、特に中高年の女性に多く見られる手指の変形性関節症です。見過ごされがちですが、放っておくと進行し、生活の質を大きく下げることにつながります。早期の対応と日常生活での工夫が、症状の進行を防ぐ鍵です。
もし指に違和感や痛みを感じた場合は、自己判断せず整形外科など専門の医療機関に相談することをおすすめします。

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