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内科クリニックでもここまでできる:リハビリ×運動療法が切り拓く新たな医療価値

1.内科クリニックにおけるリハビリの必要性

近年、「内科クリニック」においてもリハビリや運動療法の導入が注目されています。従来、リハビリは整形外科や回復期病院の領域とされてきましたが、慢性疾患の増加に伴い、内科領域でもその必要性が高まっています。

特に、糖尿病、慢性腎臓病、心不全、呼吸器疾患などの慢性疾患では、身体機能低下やフレイルが予後に大きく影響します。そのため、薬物療法だけでなく、「運動療法」を含めた包括的なアプローチが重要となっています。

実際に、慢性疾患患者では身体活動量の低下がQOL低下や死亡リスクの上昇と関連することが報告されており、日常診療の中で運動介入を行う意義は非常に大きいといえます(※1)。

2.運動療法のエビデンス:なぜ内科で必要なのか

運動療法は、単なる体力向上だけでなく、疾患そのものの改善に寄与することが、多くの研究で示されています。

例えば、慢性腎臓病や透析患者を対象とした研究では、運動療法により以下の効果が報告されています。

・最大酸素摂取量(VO2peak)の向上
・身体機能の改善
・QOLの向上
(※1)

さらに、メタアナリシスでは、運動療法が血圧低下や抑うつ症状の改善にも寄与することが示されています(※2)。

また、運動は単独でも効果がありますが、長期的な継続によってその効果がより顕著になることも報告されています(※1)。

このように、運動療法は「内科的治療の一部」として位置づけるべき重要な介入であり、リハビリの導入は診療の質向上に直結します。

3.内科クリニックでリハビリは実施できるのか

結論から言えば、内科クリニックでも十分にリハビリを実施することは可能です。

その理由として、近年の研究では「低強度〜中等度の運動療法」であっても、身体機能や代謝改善に有効であることが示されている点が挙げられます。

例えば、透析患者における運動療法では、エルゴメーターや簡易的な筋力トレーニングでも有意な改善が認められています(※3)。

これは、必ずしも大規模な設備がなくても、適切なプログラム設計により効果的なリハビリが可能であることを示しています。

つまり、内科クリニックにおいても、
・簡易的な運動機器
・椅子やゴムバンド
・徒手的な運動指導
といった環境があれば、十分に運動療法を提供できるのです。

4.内科クリニックにおけるリハビリ導入のメリット

4-1.慢性疾患管理の質向上

運動療法を取り入れることで、血糖コントロールや血圧管理の改善が期待できます。

薬物療法のみでは限界がある患者に対しても、リハビリを組み合わせることで治療効果を高めることが可能です。

4-2.フレイル・サルコペニア予防

高齢患者の増加に伴い、フレイル対策は内科クリニックの重要課題となっています。

運動療法により筋力や身体機能を維持することで、転倒・入院リスクの低減につながります。

4-3.患者満足度と差別化

リハビリを提供できる内科クリニックはまだ多くありません。そのため、運動療法を導入することで、
・患者満足度の向上
・継続通院率の向上
・他院との差別化
といったメリットが期待できます。

5.リハビリ導入の実践ポイント

5-1.対象患者の選定

すべての患者に同一の運動を提供するのではなく、疾患や身体機能に応じた個別化が重要です。

5-2.安全管理とリスク評価

内科疾患患者では、心血管イベントや血圧変動に配慮する必要があります。運動前後のバイタルチェックを徹底することが重要です。

5-3.多職種連携

医師だけでなく、理学療法士や看護師と連携しながら運動療法を提供することで、安全性と効果を高めることができます。

5-4.継続できる仕組みづくり

運動療法は継続が重要です。短期間ではなく、生活習慣として定着させる支援が求められます。

6.今後の展望:内科×リハビリの可能性

今後、医療は「治療中心」から「予防・機能維持」へとシフトしていきます。

その中で、内科クリニックにおけるリハビリと運動療法は、
・慢性疾患の重症化予防
・医療費の抑制
・健康寿命の延伸
に大きく貢献する可能性があります。

特に外来診療の現場で運動療法を提供できる体制は、地域医療において重要な役割を担うと考えられます。

今後は、内科とリハビリの連携が標準化され、「運動療法」が当たり前に処方される時代が到来するかもしれません。

参考文献

(※1)Intradialytic exercise in hemodialysis patients: a systematic review and meta-analysis, Kaixiang Sheng, et al.
American Journal of Nephrology, 2014;40(5):478-90.
https://doi.org/10.1159/000368722

(※2)Efficacy and safety of intradialytic exercise in haemodialysis patients: a systematic review and meta-analysis, Jiang Pu,et al.
BMJ Open. 2019 Jan 21;9(1):e020633.
https://doi.org/10.1136/bmjopen-2017-020633

(※3)Intradialytic Exercise is Medicine for Hemodialysis Patients, Kristen Parker
Current Sports Medicine Reports 15(4):p 269-275, 7/8 2016.
https://doi.org/10.1249/JSR.0000000000000280

掲載日:2026/5/16

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